放射能と被曝について

放射能っていったいなんでしょうか? 被曝ってどういうことでしょうか?

よくご存じの方も、なんだかよく分からないという方もいらっしゃると思いますが、

基本的なことを簡単にまとめてみました。

■放射能とは?

 

放射能ということばは、曖昧な使い方をされることがあります。

放射能、放射性物質、放射線は、意味がちがいます。

 

 放射能

放射能とは「放射線を出す能力(性質)」のことをいいます。

しかし「放射性物質」や「放射線」の意味として、あるいはそれら全体の意味として使われることもありますので「放射能」といったとき、どの意味で使われているのか注意してみるといいかもしれません。

 

【放射性物質】

放射性物質とは「放射能をもつ物質」のことをいいます。

つまり「放射線を出す能力をもつ物質」のことです。

放射性物質には、ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウム、ウラン、ルテニウム、セリウム、コバルト、ジルコニウム、クリプトンなどがあります。

 

【放射線】

放射線とは放射性物質から発せられるもので、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線などがあります。

線の種類によって飛ぶ距離が違い、物をつきぬける力も異なります。

 

アルファ線

飛距離は約45ミリメートル。紙も通過できない。

 

ベータ線

飛距離は約1メートル。紙は通過しアルミニウムなどの薄い金属板は通過できない。

 

ガンマ線

飛距離はとても長い。厚さ10cmほどの鉄や鉛も通り抜ける。ガンマ線をとめるには厚さ1メートル以上のコンクリートや大量の水が必要。

■被曝とは?

 

被曝とは「放射線にさらされる」「放射線をあびる」ことです。

被曝には外部被曝と内部被曝があります。

ちなみに「被曝」は、(原発事故などで)放射線をあびること、

「被爆」は(原水爆の)爆撃をあびることです。

 

【外部被曝】

からだの外側から放射線をあびることを外部被曝といいます。

外部被曝は、空気中や地面に存在する放射性物質からの放射線をからだにあびることです。

 

【内部被曝】

からだの内側から放射線をあびることを内部被曝といいます。

内部被曝は、放射性物質に汚染された空気を吸ったり、汚染された食べ物を食べたり飲んだりして、放射性物質が体内に取り込まれることでからだの内側から被曝します。

一度からだのなかに入った放射性物質は、その種類によって日数はちがいますが、長い間からだの中にとどまり、一瞬の休みもなく絶え間なく放射線を出し続けます。

からだの組織が至近距離で確実にそして絶えず被曝し続けるため、わずかな放射線量でも、からだは多大な影響を受けます。

被曝の影響について

■被曝するとどうなるの?

 

放射線をあびると、からだのなかでは何が起きるのでしょうか。

からだにはどんな影響があるのでしょうか。

 

●細胞内のDNAが傷つく

被曝すると、放射線によって細胞内の遺伝子(DNA)が傷つけられます。

 

遺伝子(DNA)は、ふだんは二本のくさりがらせん状になり、二重らせんになっていますが、細胞分裂をするときに二重のらせんがほどけて、一本ずつに分かれます。

特にこのときに放射線をあびると、一本のくさりが簡単に放射線によって切断されてしまいます。

 

放射線の量が少なければ、正常に修復されますが、一度に大量の放射線をあびると修復がまにあわず、細胞が大量死してからだの機能に多大な悪影響をおよぼします。

 

また、少しであっても絶え間なく放射線を受け続けていると、正常に修復されず、まちがった働きをするまちがった細胞ができて、時間をかけてからだに多大な悪影響をおよぼします。

 

●こどもは放射線の影響をうけやすい

人のからだのほとんどの細胞は、一定期間が過ぎると細胞分裂をして新しい細胞に生まれ変わりますが、年齢が小さい人ほど細胞分裂がさかんです。

胎児、あかちゃん、幼児、こどもたちはどんどん細胞分裂をしてぐんぐん成長しているのです。

細胞分裂のときに放射線をあびるとリスクが高くなるわけですから、細胞分裂がさかんな、年齢が小さい子ほど、放射線の影響をうけやすくなります。

 

●からだへの影響

内部被曝では、特定の放射性物質がからだの中の特定の場所にとどまることが、ある程度わかっています。

特定の臓器が内部被曝すれば、その臓器の疾患があらわれます。

また被曝は、免疫力が低下し、疲れやすくなったり、傷や風邪がなおりにくくなったり、あらゆる病気にかかりやすくなる原因のひとつと考えられています。

 

ヨウ素・・・・・・・・・・甲状腺

セシウム・・・・・・・・・全身。とくに筋肉、心臓、生殖器

プルトニウム・・・・・・・肺、肝臓、骨、生殖器

ウラン・・・・・・・・・・骨、腎臓

ストロンチウム・・・・・・骨

コバルト、セリウム・・・・肝臓

クリプトン・・・・・・・・皮膚

 

など